Art Salonでは、創業1906年より収集している中から、厳選した図録をご紹介していきます。
今回は「京の絵師は百花繚乱」の図録をご紹介します。
京の絵師は百花繚乱
「平安人物志」にみる江戸時代の京都画壇
京都文化博物館十周年記念特別展
於:京都文化博物館
発行:1998年10月
「平安人物志」とは、江戸時代中期から末期まで京都で発行された人名録。
この展覧会図録ではその中の画家に焦点を絞り、「平安人物志」に出てくる作家を出来る限り、作品の画像と共に紹介している。多くの画家の名前と作品を知る事ができるので、資料としても高い価値を持った図録だと言える。
プロローグでは「平安人物志」以前の京都の絵師として、狩野山雪、尾形光琳、渡辺始興、土佐光起などを紹介。
第一部では、新時代の幕開けとして、京都画壇の黄金時代を彩る絵師達、円山応挙、伊藤若冲、池大雅、与謝蕪村、長沢芦雪、曾我蕭白などを紹介している。
その他は、当時の京都における長崎派の絵師達を紹介していたり、土佐派、狩野派、鶴沢派、岸派、原派などの流派についても詳しく図版付きで解説してくれている。
ここに掲載されている画家の大部分が、現在では完全に忘れられた画家達であり、一部の画家のみが現在でも展覧会で名前を見る機会がある。
本図録では、江戸時代中期から末期までに活躍していた画家の詳細が図版付きで解説されているので、多くの画家名と作品を知ることができる。
また、多くの画家が忘れ去られ、現在でも名前を見る事ができる画家は、その中の一握りであるという事がよくわかる。